由岐神社【ゆき】(京都市左京区鞍馬本町)

子供がまだ小さな頃、始めて家族で参拝しました。その頃は神社の魅力をあまり知らず、鞍馬寺目的で当地に訪問したのでした。仁王門をくぐり参道の長い登りを歩いていて偶然当社に出会いました。ロープウエイを使用していたら、知らずに通り過ぎていたでしょう。(この時は車で山門近くまで行きました。) 2度目は一人で、バイクを使い、当社・貴船神社に参拝しました。3度目のこの日はFさんと二人で、近鉄・京阪・叡山電鉄と乗り継いで当社にやってきました。鞍馬駅から当社、鞍馬寺、貴船神社(奥宮まで)、貴船口駅まで歩きました。

割拝殿 割拝殿と御神木

美しい割拝殿
正面奥に御神木が見える。この景観が好きです!


由緒

由岐【ゆき】神社

 大己貴命【おおなむちのみこと】と少彦名命【すくなひこなのみこと】を祀【まつ】る。
 天変地異が続く都を鎮めるため、天慶【てんぎょう】三年(940)、御所内に祀られていた祭神をこの地に勧請したのが当社の始めとされ、天皇の御病気や世情騒擾【そうしょう】のとき、社前に靱【ゆき】(矢を入れる器具)を奉納して平安を祈ったため靱社の名がつき、後に現在の社名となったとも伝えられている。
 重要文化財の拝殿は、慶長十二年(1607)、豊臣秀頼によって再建されたもので、中央に通路(石階段)をとって二室に分けた割拝殿【わりはいでん】という珍しい桃山建築で、前方は鞍馬山の斜面に沿って建てられた舞台造(懸造【かけづくり】)となっている。このほか、本殿脇の石造の狛犬【こまいぬ】一対も重要文化財に指定されている。
 京都三大奇祭の一つとして有名な「鞍馬の火祭」は当社の例祭で、毎年十月二十二日夜に行われる。祭神勧請の際、篝火【かがりび】を焚【た】いてお迎えしたという故事にちなんで、氏子らが大小様々の松明【たいまつ】をかついで鞍馬街道から参詣するため、一面火の海となって壮観を極める。

京都市


相殿に八所大明神を祀る。



御神木 御神木と大杉社

大杉と大杉社
当社の御神木であり京都市の天然記念物に指定されているこの大杉(願掛け杉)は、樹齢800年、樹高53mという。
御神木の樹皮で作ったお守りも授与されている。




末社岩上社

末社 岩上社
末社冠者社

末社 冠者社

岩上社御祭神:事代主命【ことしろぬしのみこと】、大山祇命【おおやまつみのみこと】(古く鞍馬岩上の森に祀られていた)
冠者社御祭神:素戔嗚尊【すさのおのみこと】 (古く鞍馬冠者町にお祀りされていた社)




末社白長弁財天社

末社 白長弁財天社
末社三宝荒神社

末社 三宝荒神社

白長弁財天社御祭神:弁財天【べんざいてん】(古くよりこの地にお祀りされている。)
三宝荒神社御祭神:三宝荒神大神【さんぽうこうじんおおかみ】(古くよりこの地にお祀りされている。)




末社と割拝殿

割拝殿を潜り、石段を登りながら末社を巡る




本殿

本殿




神殿狛犬阿形 神殿狛犬吽形

本殿脇に鎮座する神殿狛犬。参拝した時、変わった形の狛犬だなぁと思った。
公式HPによると、『子供を抱いている非常に珍しいもので子孫繁栄子授・安産の神様として古くより信仰されています。』とのこと。
参拝時、子供をだっこしているとは気が付かなかった。

境内掲示
重要文化財 狛犬
当社狛犬は古くより安産の守護神、萬物の継承、厄除の神、火難除の神、霊宝を授け給う尊い御神徳の象徴として人目を斎み本殿内に奉祀されていたが現在は京都国立博物館に寄託されてる。
我が国が大陸文化と交流し、宋文化の特色すなわち優美細緻萌芽期の作風を理解する代表的なものであり芸術へのなみなみならぬ愛情といったものが改めて考えさせられる。
昭和四十一年五月原型を拡大しここに入魂祭し祀る。

上の掲示内容からすると、重要文化財に指定されている狛犬は博物館にあり、上写真の狛犬はそれを模したものということになる。




火祭に使われる数種類の松明

当社「鞍馬の火祭」に使われる松明(2003.06撮影)

鞍馬駅にも中松明が展示され、以下の説明書きがありました。(かなり過酷な重量だ!)
この松明【たいまつ】は「鞍馬の火祭」で使用する少年用の中松明です。
大きさ 長さ約3.5M 直径最大約0.6M 重さ約60kg

松明の種類
大松明(大人用) 約120kg(柴3束分)
中松明(少年用) 約60kg(柴2束分)
小松明(小人用) 約30kg(柴1束分)
トックリ松明(幼児用) 約10kg(柴半束分)
火祭では、約200本もの松明が、鞍馬寺山門に勢ぞろいします。

義経、金星から降臨したという魔王(護法魔王尊)、鬼一法眼らに関する祭祀施設、遺跡などが多く存在する今回のコース、かなりディープだった。



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写真:2016.05、2003.06撮影
home   作成:2018.08.23