率川神社【いさがわ】(奈良市本子守町【ほんこもりちょう】)
境内入り口
標柱には、『大神神社摂社 率川神社』とある。
『延喜式』神名帳に「率川坐大神御子神社三座」【いさがわにますおおみわのみこじんじゃ】とあるように、当社は率川のほとりに鎮座する。
「率川は、春日山に発して西へ流れ下り、荒池・猿沢池畔を流れて市街地を通り、佐保川に合流する。」(『日本の神々4 大和』)
川?近くにあったっけ?と一瞬思ったが、さらに読んでいくと、現在は「地下の暗渠」となっているそうだ。
境内掲示 率川神社【いさがわじんじゃ】(子守明神【こもりみょうじん】) 御祭神 玉櫛姫命【たまくしひめのみこと】 向かって右殿(御母神) 媛蹈■五十鈴姫命【ひめたたらいすずひめのみこと】 中殿(御子神) 狭井大神【さいのおおかみ】 左殿(御父神) 例祭日 六月十七日 三枝祭【さいくさのまつり】(ゆりまつり) 御由緒 当神社は推古【すいこ】天皇元年(593年)大三輪君白堤【おおみわのきみしらつつみ】が勅命【ちょくめい】によって創祀【そうし】した奈良市最古【さいこ】の神社であります 父母神が御子神を両側から見守るようにして鎮座奉斎していることから子守明神と称えられ安産【あんざん】 育児【いくじ】 息災延命【そくさいえんめい】の神様として篤い信仰を集めております 例祭の三枝祭【さいくさのまつり】は御祭神に縁の深い笹百合(古名 さいくさ)の花で白酒【しろさ】黒酒【くろさ】の酒樽【さかだる】を飾ってお祭りするところから付けられた名前であり大宝令(701年)に国家の祭祀として定められている古式ゆかしい神事で疫病除けの祭りとして今に受け継がれ「ゆりまつり」の名で知られています 本殿は一間社春日造檜皮葺の建物三棟が東西一列に並び南面しており近世初頭の社殿形式を伝えるものとして奈良県有形文化財に指定されています 率川阿波神社【いさがわあわじんじゃ】 御祭神 事代主神【ことしろぬしのかみ】(奈良市最古のえびすさん) 例祭日 六月十七日 初戎【はつえびす】 一月五日 |
春日造の本殿三棟をつなぐ塀
塀の絵を撮影したのは2001年10月。現在(2020.11)のものは新しく描きなおされた様だ。
春日大社本殿に似た美しい千木。(春日造だから当然か。)
境内掲示 奈良県指定有形文化財 大神神社摂社【おおみわじんじゃせっしゃ】 率川坐大神御子【いさがわにいますおおみわみこ】神社本殿 江戸前期 昭和三十一年八月七日指定 当社は大神神社(桜井市)の摂社で、奈良時代以前にさかのぼる古い由緒をもっています。 本殿は同規模・同形式の一間社【いっけんしゃ】春日造(間口一間、切妻造妻入の建物の正面に庇をつける神社本殿型式)、檜皮葺の建物が三棟並び、各殿の間を塀でつなぎます。 建立年代は、正面の蟇股【かえるまた】や木鼻【きばな】の彫刻の形状などから、江戸時代初めと考えられます。 全体・細部とも優れた意匠の美しい建物で、江戸時代前期の春日造本殿として貴重です。 奈良県教育委員会 |
左:末社春日社、中央:摂社率川阿波神社 右:末社住吉社
春日社御祭神:春日大神【かすがおおかみ】
率川阿波神社御祭神:事代主神【ことしろぬしのかみ】
住吉社御祭神:住吉大神【すみよしおおかみ】
掲示 蛙【かえる】石 この石は その形状から「カエル石」と言われています。蛙は 一度に沢山(1500個ぐらい)の卵を産むことから 繁殖力・命の再生・豊富・裕福のシンボルとも云われております。特に蛙は「カエル」という言葉の語呂が縁起が良いとされ「お金がかえる」「幸せがかえる」「若かえる」「無事かえる」「貸した物がかえる」等々言われ 参拝者も健康回復・旅行安全・金運アップ等の御利益を願って この石を撫で親しまれていることから「撫で蛙」とも呼ばれるようになりました。 |
当社は大神神社の摂社になっている。本社の大神神社を遥拝する場所が設けられている。
遥拝所にはめこまれた絵
井寺池から見た三輪山だろうか?
この陶板画は、当社のHPに『平山郁夫画伯作の「神の山 三輪山の月」』(大神神社収蔵)とある。
写真:2020.11撮影
home 更新:− 作成:2021.01.30