鎮宅霊符神社【ちんたくれいふ】(奈良市陰陽町)
門の額には「鎮宅霊符神」の文字
門の扉に以下の掲示があった
鎮宅霊符神社【ちんたくれいふじんじゃ】
御祭神 天之御中主神【あめのみなかぬしのかみ】
不動の天帝 北極星の心霊であろうとされている
宇宙創造神 又 神仏習合説 妙見信仰の神
天下泰平 国家安穏 五穀豊穣
災禍除き福運を呼ぶ 家、屋敷の安全を守る神
当社「御札」は、産土神 御霊神社社務所にて授与致しております
御祭神は天之御中主神となっています。古事記においてこの神様は、一番最初に誕生した神とされています。(国生みを行った伊耶那岐神・伊耶那美神は十二代目となります。)では、門の額に書かれた「鎮宅霊符神」とはいかなる神なのでしょうか。 霊符で思い出すのが映画「霊幻道士」です。キョンシーの額に張り付けるお札がそれです。道士とは、道教における神主さんの様な人。「鎮宅」とは、家・屋敷の安全を願うこと、そして家族の幸せを願うこと。鎮宅霊符神とは、霊符を使った呪法により家内安全を守護する神様なのだそうです。当社が鎮座する陰陽町【いんようちょう】は陰陽師【おんみょうじ】達が住んでいた地区です。当社は氏子が無く、陰陽師の末裔が代々維持されてきたそうです。鎮宅信仰は道教に由来するそうですが、陰陽道も道教の影響を受けていたと考えられます。
本殿
本殿背後の祠
「本命主宰九宮尊星」「抱卦童子爾卦童郎」「北辰鎮宅霊符尊星」と書かれた札が置かれていた。
ホント笑顔の良い狛犬さんです
「久延毘古 独言 ―幽黙庵の囲炉裏端―」で幽黙さんが紹介されているのを拝見し、ぜひご尊顔を拝したいと思っておりました。
「ひゃっほう」と喜んでいるようなその表情から、mixiコミュ「狛犬さがし隊」のメンバーさんが、「ひゃっほう狛犬」という愛称をつけられたとのことです。
行願寺にある鎮宅霊符神堂
京都市中京区の行願寺にある鎮宅霊符神堂(「行願寺」より「西国三十三ヶ所札所革堂」の方が私には分かりやすい。)
提灯に書かれた「鎮宅霊符神」の文字を読んで、「お寺さんが変わった名前の神さんを祀ったはんねんなぁ。」ぐらいしか、撮影時は思わなかった。
ただし、お寺さんだけあって北辰妙見菩薩が御本尊である。
御本尊は秘仏だが、その前にまつられている鎮宅霊符神御前立尊像は道教寺院の神像とそっくりだという。
妙見さんといえば能勢の妙見さんがまず浮かぶが、もとは鎮宅霊符神としてまつられていたという。
1600年代に日蓮宗の影響を受け、鎮宅霊符神は妙見大菩薩と名を変えたそうだ。
奈良県桜井市初瀬にある霊符神社 境内掲示 霊符神社 御祭神 国底立尊 神社由緒 天地開闢と共に国土を造り成された神様であります。。世間では方位造形の神として崇れられて居り、新築開店等全ての事始めの時には御札をいただく習わしですので、霊符神社と名付けられています。 |
八卦鎮宅符の内の「乾【けん】」 「乾」は北西の方位 桃の木に書かれている 国立民俗学博物館にて撮影 |
鎮宅霊符神像 国立国会図書館資料より |
home 更新:2019.09.22b 作成:2012.09.29