門僕神社【かどふさ】(奈良県宇陀郡曽爾村今井)

参道入り口

門僕神社の両部鳥居は、私の好きな鳥居の一つである。
まず、少し沈んだ赤と稚児柱の黒の配色が良い。
やや細身の笠木・島木、貫、柱などのバランスが良い。
笠木・島木の反り増し、貫の両端が下方に反っているところなど、モダンな感じさえする。
(貫が反っているのはめずらしい。)





境内に至る階段・手水鉢





拝殿



境内看板

門僕神社【カドフサ】

鎮座地 奈良県宇陀郡曽爾村大字今井字見山
御祭神 天津兒屋根命・武甕槌命・経津主命
    比賣大神玉祖命・天手力男命・天宇受賣命
由 緒 旧指定村社にして、人皇六十一代醍醐天皇の御宇、延喜式神名帳には大和國宇陀郡十七座の内、
    第三番目門僕神社に鍬靫を奉納すとあり今にその先金を伝承する古社にして、昔より曽爾村
    八ヶ大字(注1)の産土神として崇敬厚き御社なり
境内社 四社明社 大國主命・大田命・市杵島比賣命
    八幡宮 應神天皇
例 祭
体育の日の前日執行(「」内は木札。年によって異なる?)
    當日、當屋より御神饌として八ヶ大字
より頭甲(里芋の茎を束ね柿と餅を竹串に挿し頭に
    鶏頭の花を挿す)と犬の舌と称する餅を供す
獅子舞(県指定無形文化財)の奉納
    長野、今井、伊賀見三大字奉舞会により行ふ

注1:今井【いまい】、長野【ながの】、伊賀見【いがみ】、小長尾【こながお】、太郎路【たろじ】、塩井【しおい】、掛【かけ】、葛【かずら】



本殿


社名について、『延喜式』神名帳の金剛寺・九条家・吉田家の諸本はともに「カトノ」と訓み、『大和志』は「カトノフサ」と訓む。『神名考証』は「門倍神社」【かどの】とする。『惣国風土記』には、門僕神社は火闌芹命【ほのすせりのみこと】を祀るとある。現在の祭神は天津兒屋根命であるが、これは中世から近世にかけて春日社であったことによると考えられる。
当社は春日明神と称されていた。曽爾庄は古くは伊勢神宮領であったが、興福寺の勢力が大和国一円に拡大するにつれ、曽爾庄にも支配が及び、興福寺と一体の関係にある春日大社の祭神が当社に勧請され、いつしか本来の祭神が忘れ去られたものと思われる。(「日本の神々4 大和」 谷川健一編 白水社) 




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home   作成:2008.04.27