岩神社【いわ】(奈良県宇陀市大宇陀栗野)

岩神社参道

参道
津風呂川に架かる宮前橋




岩神社境内

境内




岩神社社殿

中央階段上が本殿
背後に巨岩があり古い信仰形態がしのばれる

境内掲示

岩神社(旧指定村社)
栗野字フロノ谷1420番地

祭神 石長比売命【いわながひめのみこと】
    (または磐押別命【いわおしわけのみこと】との伝あり)

 境内地は約五百平方メートルあり、本殿の背後には巨岩が屹立し、前方は清流津風呂川を隔てて古くからの道が南北に通じている。このような社地の景観と立地の模様から神域としての神奈備【かむなび】を彷彿させ、塞ノ神の奉祭且つまた巨石崇拝の古俗を偲ばせる。

 当社の創祀や由緒などは詳らかではない、口碑によると、当社の西方には鳥ノ塒屋山(660メートル)が聳え、その山容は秀麗、群峰を抜く形は富士山に類する故に、山頂に木花咲耶姫【このはなさくやひめ】を祀り東麓巨峰の下にて石長比売を祀ったと伝えられている。
 また、元大蔵鎮座を此所に遷座されたともいう。雲管山医王院大蔵寺の地は、かつて国樔部【くにすら】の祖神である磐押別命を祀る大蔵神社の鎮座地とされている。上古、国樔部に属する民が、この地域に居住して自らの祖神を祀った社と考えられているが明らかではない。

 岩神社の行事には、旧来から途絶えることなく続けられている特筆すべき伝承行事がある。一つは、例祭前に当屋と第当屋(次期当屋)が、吉野町河原屋、大名持神社【おおなもち】前の聖域である潮生淵【しおぶち】に「垢離【こり】かき」と称して禊ぎに行くことである。六根清浄の水浴をして十二個の石を持ち帰り、当屋に設けられた須屋【すや】に入れて例祭当日まで祀るのである。二つは、毎年五月中旬の「田休み」の日、各自が三十三枚の葉をつけた照葉樹などの枝を持って当社に詣で、「お垢離取り」【おこりとり】をおこなっている。いずれも貴重な伝統行事として注目すべきである。

   例祭
  夏祭り(春日社)   六月最終日曜日
  秋祭り(主祭神)   十月第二日・月曜日
  亥の子祭り(宗像社) 十一月第二日曜日




岩神社本殿背後の巨岩

本殿背後の巨岩




岩神社の摂末社 岩神社の摂末社

過去に訪問したのは2004年と2006年だった。当時摂末社は相殿ではなく、独立した社殿が斜面にお雛様の様に並んでいて、印象的だった。

左相殿:山ノ神、妙見宮、春日社
右相殿:宗像社、稲荷社、猿田彦社、金刀比羅宮




岩神社境内 岩神社にあった石像

相殿に「山ノ神」が祀られていた。石像が集められた祠があったので、山ノ神碑が有るのではとのぞいてみたが、分からなかった。
ほとんどはお地蔵様に見えるが、写真右の像は、庚申?




岩神社境内

境内の前を津風呂川が流れる



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home   作成:2015.07.21