蛇の目玉石【へびのめだまいし】(滋賀県長浜市余呉町)

蛇の目玉石

石碑に書かれていた文

菊石姫と蛇の目玉石

 仁明天皇の頃、この地に住む領主桐畑太夫に菊石姫という娘があった。姫はある年、干ばつに苦しむ村人を救わんと、余呉湖に身を投じ蛇身となって雨を降らせた。もう人間にもどれぬ姫は、長年世話になった乳母へ、疫病の薬にと蛇の目玉を抜きとり、湖中から投げ与えた。目玉は石の上に落ち、その跡を残したので、以来この石を「蛇の目玉石」という。
 また姫が枕にして、しばしば休んだといわれる「蛇の枕石」は、南側にある椎の老木下の湖中にある。干ばつの年、この枕石を地上にあげ雨を乞うと、不思議に雨が降ると伝えられる。

昭和五十六年十月吉日 余呉町観光協会

こちらの菊石姫伝説はさらに気高く、さらに悲しい。

敦賀からの帰り道、予定にはなかったが、まだ見た事がない余呉湖に行ってみたくなった。静かな湖を期待していたのだが、湖が見える場所に出たら、沢山の人達がいた。遠くの湖面に見えるのは筏だろうか、そこにも釣人と思われる多くの人達がいた。積雪が残る細い道を反時計回りにまわってみる事にした。少し走ると、ほとんど人と出会わなくなった。そんなとき、目に入ったのが蛇の目玉石だった。

余呉湖の周辺には、蛇の枕石、天女が水浴するために羽衣を掛けたと伝わる柳の木、夜泣石などもある。



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home   作成:2012.03.02