神魂神社【かもす】（島根県松江市大庭町）

参道入り口

見上げる石段の上に拝殿

大社造の本殿

2011年9月に頂いた御由緒

御祭神

主祭神　伊弉冊大神【いざなみおおかみ】
合　祀　伊弉諾大神【いざなぎおおかみ】

春祭＝４月１８日　例祭＝１０月１８日　新嘗祭＝１２月１３日　神在祭＝１１月１１日

由緒略
　当社は大庭【おうば】大宮とも云ひ出雲国造の大祖天穂日命が、此地に天降られて御創建、伊弊冊大神を祀り、出雲大神、出雲国の総産土大神、として天穂日命の子孫（大社町、北島、千家両国造）は元正天皇霊亀二年に至る二十五代果安国造迄祭主として奉仕、斉明天皇の勅令により、出雲大社の創建なるや、杵築（大社）へ移住（霊亀二年千二百年前）したるも、国造就任の印綬【いんじゅ】とも云ふべき神代ながらの神火相続【おひつぎ】式並新嘗祭を執行の為め、現在も参向されてゐる。従って大国主命の国譲も、出雲朝廷のもと国造として祭政を執ったのも皆当社が中心で古代の神�ｷであり、種々な遺蹟、伝説も豊富で甘奈備山、大古墳群、出土品等貴重な文化財も多く、附近に国庁、国分寺等もあって、神代上古を通じ、鎌倉時代迄は政治、経済、交通の要衝である故、文化庁の協力に依り、近くに郷土博物館風土記ヶ丘が建設され出雲文化発祥の転移を紹介してゐる。又毎年十月には全国の八百万の神々が集ひ給ふ神在祭も行はれてゐる。本殿は民族祖先の独創になる日本最古の建築様式で天地根元造の形態を有する大社造として国宝（本殿。内殿。古代心の御柱の一部共）に指定され全国に現存する大社造としても最古（正平元年六百数十年前）のもので素朴雄大、森厳襟を正さしむ本殿内は狩野山楽土佐光起の筆とも伝えられる大壁画九面にて囲まれ荘厳極まりなく、天井の九重雲は（出雲大社は七重雲）日本建国の創業を物語る貴重な神話を伝う。御祭神は日本民族の大祖に坐し、協力して建国の大業を成し給ひ、夫婦の道を開き、八百萬の神々や萬物を創造産出し造化の神に坐すが故に太古より出雲大神として結縁、授兒、安産、開運、商工繁栄、邪霊、病魔、厄難退散、農作豊饒、畜産繁栄等の御神徳は勿論、両大神が天の浮橋を使用された伝は明に物に乗ることの始めで造船、海運、漁業海上安全、陸上の交通安全の守護神として、又火の神を産む￥まして火器の発達を促しました故事により、製鉄鋼、竈、汽鑵、鍛冶、窯業、醸造等、火を利用される人々の守護神として霊験高く殊に戦時中は人命を尊重救助し給ふ大神の御神徳に肖る為め、多数の人氏子祈願参拝者で、雑沓を極めたこともある。先年照宮成子内親王殿下御降誕の節御殿に伺候、皇后陛下の御母宮久邇宮大妃殿下御参拝を賜ひ、又三笠宮親王殿下、義宮親王殿下にも親しく御参拝あらせられ、国宝並に壁画の御見学を賜るなどの栄誉を頂き誠に恐懼の至りに堪へない処である。

本殿
参拝の後、思う存分に本社を拝見する。

御由緒

国宝　御内殿
国宝　心御柱古材

日本最古の建築様式である天地根元造の形態を有する大社造りとして、明治三十三年四月七日特別保護建造物（後に国宝と云う）に指定され現在の本殿は従来応安元年の改築と伝えられていたが、昭和二十三年度よりの修理の際主柱上部の突起（ホゾ）に正平元年丙戊十一月日（室町時代の初期六百数拾年前）と墨書されているを発見された。従って現存する大社造としては最古のもので、出雲大社の改築より約四百年も古いので歴史的にも更に一層原始的な構造、古形を具備し全国総ての神社建築並一般民家建築の根元をなし、日本民族祖先の独創になる世界に誇るべき文化財として斯界の学者、技術者から推称されている。（出雲大社が創建される時当社の倍率に設計されたとの社伝がある）

本殿
宇豆柱、心御柱が見える

本殿

本殿と摂末社

摂末社

本殿はしっかりと拝見したが、以下はチェックしてません。（泣）次回参拝のおりは、必ず・・・

御由緒

御釜宮　　例祭日十二月十三日（出雲国造参向）

当社の境内にありて、出雲国造の大祖天穂日命が、天照皇大神の神勅に依り大国主命に、出雲国奉還を促し給ふ為め高天原より大庭釜ケ谷へ乗って天降られたと伝える神釜を祀る。出雲国造新嘗祭に参向の節には必ず御釜御神事を行うを例とした。故に、今日出雲大社で新嘗祭の時（明治四年より）大庭御神事と称する御釜を祀る神事を執行することになったのは一時当社へ参向が中止になったので此の御釜宮を遙拝の為めの神事と云へる。竈繁栄、火難除、五穀豊穣、特に子供の虫除、稻熱病並刺虫除の神として崇敬されてゐる。　宮司秋上家は創祀以来連綿として奉仕、出雲神話、伝説などを伝え又古文書などの重要文化財を多数保存、神秘な祭事、特種な祈祷などを伝承してゐる。

霊現地　宿祢岩【すくねいわ】（天之磐座【あめのいわくら】）

垂仁天皇は、出雲国造十三代の孫野見宿祢【のみのすくね】が怪力であることを御聞きになり、当時大和【やまと】で日本一の大力と豪語する當麻蹴速【たいまのけはや】と角力させんと勅使を当大庭に遣はされ、宿祢に伝えさせ給ふ。
爾【じ】来宿祢は当社に参籠【こもり】、必勝を祈る内に、神夢に依って、裏山へ奇岩、怪石を累々と集めて力試をし、天磐座【あめのいわくら】大神を祀り、信仰によって自信を深め遂に蹴速を倒して、天皇の親任を得、当時殉死【じゅんし】の弊風があったのを改めて埴土【はにわ】に替える様になったと伝えられる。此の磐座【いわくら】には宿祢の全智全能がこもってゐて角力の祖神として、勝負事（運動競枝）事業（土木、建築、相場）商売繁昌、勉学、夫婦和合、授兒などの霊験ありと信仰されている。

重要文化財
貴布禰稲荷【きふねいなり】両神杜本殿……二間社流【ながれ】造…一棟　　室町時代

神社建築様式としては他に類例のない珍しい形式のものとして推称されている。全国に一間社、三間社流造は類例が多いが二間社は類例が少ない。

柄杓が良いですね

御由緒

神魂【かもす】と云う社名について

神魂を何故にカモスと読むかについて諸説があるが天穂日命【あめのほひのみこと】が当地に天降り天津神籬【あまつひもろぎ】（神木）又は天津磐坂【あまついわさか】（大岩）に先伊弉冊【いざなみ】大神を祀り次に伊弉諾大神を併せ（神去られた順位）祀り神霊の鎮り坐す所、即ち神坐所【かみますどころ】と申され、それが、カンマス−カモスとなったと云われ、又御祭神二柱の神が、天地の創造の時初めて夫婦の道を開きムスビ給ひし古事により、神【かむ】ムスビ（縁結）の大神と唱えたのを神魂【かもす】となった説や神皇産霊【かむむすび】神を当初祀った事はないかとも伝えられて居るが悠久な神代時代の事は判然とは窺い知ることは出来ない、しかし、宮中【きゅうちゅう】にて御神鏡（八咫鏡【やたのかがみ】）を祀られ在る所を賢所【かしこどころ】と申されていますが、之も神霊の鎮坐【しずまりま】す、尊い、賢い【かしこい】所と云う意で賢所＝神坐所と共通した呼称もあることを銘記する必要もあると思われる。従って神社とか神宮とか社と呼ばれる様になる以前の一層に古い信仰上の表現だと云えると思います。

参拝時「国宝神魂大宮御本殿内壁画」という絵葉書を購入した。久しぶりに取り出して見た。この頁に画像をアップ出来ないのが残念です。本殿の扉には、左右に「日月舞の図」が描かれている。本殿内部の壁画は「出雲国造神火相続式を終え社務所にて鶴山亀山と呼ぶ祝相撲を観覧の図」・「当社の神有祭に因む佐太神社及び加賀の潜戸の図」・「老松に鶴・鶺鴒の図」（伝狩野山楽筆）、本殿内天上には「五色の九重雲の図」が描かれている。

　←地図　　

写真：2001.09撮影
ｈｏｍｅ　　　作成：2015.04.25