黒田勝手神社のお祭
午後7時30分、イチノチョウチン(一の提灯?)に黒田、結馬【けちば】、井手【いで】の三地区が集合し、お渡りが始まる。
お渡りとは、イチノチョウチンから勝手神社に歩いて行くことをいう。
先頭は勝手神社の神主さん。
皆で「ねんど、ねんど、わーい」と言いながらお渡りする。
黒田の長持ち。 祠、太鼓、御幣、提灯等が取り付けられている。 |
結馬の長持ち。 祠にチョケの面をひっかけています。 |
井手の長持ち。
祠に天狗の面をひっかけております。
右手前の人が担いでいるのは獅子頭。
本殿でお祓いを受けた後、境内に戻り待機する結馬の獅子頭。
ムシロの上で舞います。各地区のムシロを敷く位置は毎年変わります。
2006年は鳥居に近い方が黒田、真ん中が結馬、奥が井手でした。
鈴(右手)と御幣を持って舞う結馬の獅子 | 右手に鈴左手に御幣を持って舞う井手の獅子 |
太鼓に合わせて舞います。太鼓も獅子の動きを見ながら微妙にリズムを変化させるようです。太鼓は一人で打ちます。ただし、三地区が同時に打ち、舞うので自身の地区の音を聞き分ける必要があります。
ムシロの端に提灯が置かれております。獅子の中の二人は、視界が悪いのでこの提灯で自分の位置を確認しているのだそうです。他のメンバーも、ペンライトで合図したり、声をかけたりして獅子をコントロールしております。
チョケは周りに控えている。 | ニワトリのかぶり物。尾はキジのものを使っている。 | |
黒田の天狗の舞。動きは激しい。 |
獅子と天狗の掛け合い。(黒田)
天狗が持っているのはササラで、こすって音を出す。
井手の天狗舞 | 結馬の天狗舞。後でチョケが踊っている。 |
獅子神楽は七種類あります。(獅子はすべて2名で演じられる。)
1.千代神楽(約7分)
獅子だけで舞う。右手に鈴、左手に御幣を持つ。
2.清神楽(約10分)
獅子だけで舞う。右手に鈴、左手に御幣を持つ。獅子が立ち上がったりする。後の人は中腰で動き回るのできつそう。
3.刃(約5分)
獅子だけで舞う。右手に刃を持つ。
4.五段(約13分)
獅子だけで舞う。右手に鈴、左手に御幣を持つ。四隅と正面を拝み、五つの方向を清める。
5.獅子踊り(約15分)
獅子とチョケで舞う。獅子は右手にハナ、左手に御幣を持つ。チョケはハナを持つ。
6.天狗(約48分)
獅子、天狗、チョケが舞う。獅子は何も持たない。天狗は右手に扇(黒地に赤の日の丸)、左手にハナを持つ。帯にササラを差している。チョケはハナを持つ。「天狗」は、獅子と天狗が争う場面を表現している。一旦は天狗が優勢になるが、最後に獅子が勝つ。チョケは見物人をからかったり、踊り手にちょっかいを出したりして場をわかせる。黒田には○○レンジャー風の現代的なチョケもいました。見物している母親の手から小さい子をさらったり、獅子の中にハナを突っ込んだり、チョケはやりたい放題。
7.荒獅子(約30分)
獅子だけで舞う。何も持たない。
天狗との争いに勝ったものの、力を使い果たした獅子は死んでしまう。「荒獅子」はかなりドラマチックな踊りの様です。実は私、21時30分頃引き上げたので見ておりません。機会があれば、今度は最後まで見るぞ!
「伊賀黒田の民俗・東京女子大学民俗調査団1991年度調査報告」を参考とさせて頂きました。
写真:2006.11.02
home 作成:2006.11.12