山添村片平(奥出地区)の山ノ神(奈良県山辺郡山添村片平)
1月7日午前6時前、夜はまだ明けていない。
各家の男性は、どんどで炊くワラと鍵引き神事に使う樫【かし】の枝を持って、山ノ神碑がある山裾に向かう。
人家をはずれると照明はないので、提灯や懐中電灯をたよりに山道を行く。
途中、河原で小石を拾い、あらかじめワラで作ってあった袋に入れる。(これは、福俵とかホウデンとか呼ばれるものだ。)
福袋を樫の鍵につけて、山ノ神碑の前に張られた注連縄にひっかけておく。
樫の鍵が増えてきました。
どんどで暖をとりながら、神事に参加する人々が揃うのを待っておられる。
前年に不幸事のあった二つの御家庭は今回参加されない。
メンバーが揃い、いよいよ鍵を引きます。
鍵引き歌「西の国の糸綿【いとわた】 東の国の銭米【ぜにこめ】 日本国【にっぽんこく】の宝物
家【こち】の蔵へ エイヤー(ここで鍵を引く) エイヤー」
やや左手上部、細い幹の後ろに山ノ神碑が見えます。
山ノ神碑のアップ。「山神」と刻印されている。
鍵引き神事の後は直会【なおらい】で、お酒が振る舞われます。
「今日は車に乗らないですか?」とお一人お一人に確認されていました。
どんどの火をロウソクにとって提灯に入れ持ち帰えります。この火は、七草粥を炊くための火種となります。
「家【うち】はオール電化やから、仏壇にお供えする。」と言われた方もおられました。
地元のIさんに案内して頂きました。感謝。事前に地区の方にも了解を得て頂き、感謝。和やかな中にもおごそかに神事がとりおこなわれました。 100ヶ所以上の山ノ神様を回りましたが、神事を直接拝見したのは今回が初めてで、感激致しました。
home 作成:2010.01.23