白山比咩神社【しらやまひめ】(三重県津市白山町南出)
参道入り口(2008年3月撮影)
標柱には「白山比咩神社」の文字。鳥居右奥に写っているのは社殿修復工事内容の掲示だが、当社名は「倭白山比咩神社」と書かれている。
この辺りは昔、倭村だったようだ。
由緒
『勢陽雑記』および『成願寺文書』によれば、天文二二年(1553年)正月十四日、若宮八幡宮の社僧円乗坊の夢に、加賀白山大権現があらわれ、加賀の社殿は焼失の禍があるから天照大神の鎮座地である伊勢の地に遷りたいとの御神託があったという。同年三月、加賀白山に参籠して祈願をこめていたところ、満願七日の夜、また御神託あり、未明に至って見ると、円乗坊の笈に御幣が七本あったので、これを奉じて帰国の途次、家城の瀬戸ヶ淵のかたわら岩上に笈を置いて休息せんとした処、笈の中から七羽の白鳥が飛び立ったということで、その白鳥がおり立った地の一つである小倭に社を建てて祀ったのが初めであるとする。
天正十七年(1589年)六月、社殿は火災にかかり、元和八年(1622年)に再建されたのが今の社殿である。
明治八年十二月、度会県より郷社に列格された。
昭和三十二年三月二九日、本殿一宇が県の有形文化財に指定された。
(『三重県神社史』より)
「若宮八幡宮の社僧円乗坊」とあるが、Wikipediaによると、三重県津市三杉町の若宮八幡神社とのこと。
拝殿(2008年3月撮影)
拝殿背後右手に修復工事のブルーシートや足場が見える。
鳥居の形式は鹿島鳥居。(額束がない)
屋根が新品だ(2008年3月撮影)
拝殿(以下の写真は2009年10月撮影)
新しくなった鳥居の形式は宗忠鳥居(額束がある)
境内
左から、本殿、八幡社・須賀社、祖霊社、十二社
祭神
菊理比賣命【くくりひめのみこと】、大日孁貴命【おおひるめむちのみこと】、火産霊命【ほむすびのみこと】、大物主命【おおものぬしのみこと】、須佐之男命【すさのおのみこと】、大山祇命、【おおやまつみのみこと】、国常立命【くにとこたちのみこと】
境内神社
八幡須賀社(応神天皇【おうじんてんのう】 須佐之男命【すさのおのみこと】)
十二社(大綿津見命【おおわたつみのみこと】他十一社)
風宮(志那津比古命【しなつひこのみこと】)
氣多社(大穴牟遅命【おおあなむちのみこと】)
祖霊社(戦没者英霊他)
『三重県神社誌』より
十二社
左:若宮八幡遥拝者 右:稲荷の祠
稲荷の祠アップ
素朴な狛犬と、御神体は磐
風の宮
氣多社
写真:2009.10、2008.03撮影
home 作成:2025.06.28