稲荷神社【いなり】(奈良市雑司町【ぞうし】)

十年近く前、手向山八幡宮へ向かって歩いていて偶然出会った神社だ。私の参拝記録のデータベースには、ずっと「稲荷神社?」(狛狐さんがいるから)となっていた神社である。
最近Googleマップを見ていて、当社の地図上の位置に「睡神社」の名前があった。添付写真を見て「稲荷神社?」に間違いなかった。Wikipediaで「睡神社」を検索したがデータはなかった。Google検索すると複数のサイトに当社がアップされており、「睡」を「ねむり」と読ませることは共通していた。あるサイトでは「ねむり稲荷」とも呼ばれているとの記述もあった。
『奈良市史』の索引には「稲荷社」・「稲荷神社」は八社掲載されており、雑司町の稲荷は一社だけだった。「春日野水泳場の西側にある。」「二つの朱塗り鳥居をくぐると・・・」「正面蟇股に雲上の狐」との記述から、『奈良市史』記載の雑司町の稲荷神社は当社と判断した。

境内入り口

境内入り口




玉垣内に本殿




本殿

祭神は、倉稲魂神すなわち宇迦之御魂神である。享保十九年(1734)九月三日、神託によって社殿を造立、諸人の信仰が厚かった。」(『奈良市史』)




蟇股の狐さん

『奈良市史』には「正面蟇股に雲上の狐を刻んでいる」とある




「最新奈良観光市街図」(1946年) 左図の右下に「運動場」があり、その左(西)隣りにプールがある。さらに西に鳥居のマークがあり上に「荷稲り■」の文字がある。■は拡大しても分からなかったが「睡」?。


 「最新奈良観光市街図」1946年
『奈良公園におけるスポーツ施設の変遷と文化表象 :「近代化」から「奈良ブランド」構築へ』(渡邉昌史著)より抜粋させて頂きました。
同文書には
(春日野運動場は)1988(昭和 63)年開催の「なら・シルクロード博覧会」を前にして,春日野会場整備のために撤去された.博覧会終了後には「奈良公園らしさである雰囲気をもつ人類共通の財産にふさわしいオープンスペース 31)」とするために,春日野園地(グラウンド跡),三社池,浮雲園地(水泳場,児童遊戯場跡),奈良公園館(テニスコート跡)として再整備された。
とあります。



近辺の桜

玉垣近くの桜(2014.04撮影)




石仏

隣にあった石仏。一つの石に二体刻まれているのは道祖神?



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写真:2012.10撮影
home   更新:2022.02.07a 作成:2022.01.14