春日大社摂社 本宮神社【ほんぐう】(奈良市春日野町)

春日大社の摂社五社の内の一社である。(ちなみに末社は境内末社三十九社、境外末社十数社とのこと)(『奈良市史 社寺編)

本宮神社遥拝所

本宮神社遥拝所

掲示

摂社 本宮神社遥拝所

御祭神 武甕槌命【たけみかづちのみこと】 経津主命【ふつぬしのみこと】 天児屋根命【あめのこやねのみこと】
御例祭 十一月九日
御由緒 御蓋山【みかさやま】は、太古より霊山と崇められる神奈備【かんなび】(神の鎮まり給う所)で、神護景雲二年(七六八)御本社第一殿の御祭神である武甕槌命が白鹿の背にお乗りになり頂上の浮雲峰【うきぐものみね】に天降【あまくだ】られた神跡である
毎月一日には、この所へ神饌を供し頂上の本宮神社を遥拝する

本宮神社遥拝所から奥は禁足地だ。一般に社殿は見ることが出来ないが、ためしにネットで画像検索してみた。キーワードは「春日大社 本宮神社」。以外にも社殿の画像が出てきた。産経新聞「THE SANKEI NEWS」の画像で、20年に一度の式年造替【しきねんぞうたい】を記念する特別登拝に関する記事だった。社殿は春日造で、赤い玉垣に囲まれ赤い鳥居があった。



東大寺山界四至図(模写)

東大寺山界四至図の模写

東大寺山界四至図(模写)部分 東大寺山界四至図は、拝する方向から文字が書き始められている。春日大社の位置にある「神地」は東方向を拝している。現在の春日大社は南面しており、後に、「天子南面する」という中国思想の影響を受けたものと思われる。
『奈良地域関連資料画像データベース』によると、東大寺山界四至図原本(宮内庁正倉院所蔵)は天平勝宝八年(756年)6月9日に作成されたという。春日大社の草創は、『皇年代記』に神護景雲二年(768年)11月9日「春日大明神移座三笠山」とある。移座とは、武甕槌命が常陸の鹿島から名張夏見、城上郡阿部山を経て御蓋山に移られたことをいう。すなわち、東大寺山界四至図が作成されたのはその12年前ということになる。とすれば、「神地」でお祀りする神は、現在摂社榎本神社にお祀りされている地主の神の可能性が高いと思う。御蓋山は神体山で、神地は神籬なのだろう。(現在も本殿が無い大神神社の祭祀と重なる。)



左の図は上の地図を反時計回りに90度回転し「御蓋山・神地」部を取り出したもの。上が東になる。



御蓋山望遠

鷺池から望む御蓋山。神奈備形の山容だ。



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写真:2012.09撮影
home   更新:− 作成:2021.07.14