阿賀神社(通称:太郎坊宮)【あが・たろうぼうぐう】(滋賀県東近江市小脇町)
太郎坊宮は、標高350mの赤神山(あかがみやま)の中腹に鎮座します。
写真中央の一番大きな建物(参集殿)まで車で登ることが出来ます。
私は、1度目の参拝には直登の表参道を麓から歩いて登り、2度目は車で参集殿まで行き裏参道を歩いて登りました。
どちらの参道も見るべきものが沢山あり、変化に富んでおります。
一の鳥居、二の鳥居附近から眺める赤神山(太郎坊山)は美しいピラミッド型をしている。三輪山に通じるかたちである。
私はR421を走ることがあるとついつい太郎坊山を探してしまうのだが、古代の人々にとってはさらに強く印象づけられるかたちなのだ。
境内石碑
太郎坊阿賀神社由緒記
・神社名 太郎坊阿賀神社【たろうぼうあがじんじゃ】(通称 太郎坊宮【たろうぼうぐう)
・御祭神 正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊【まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと】
(天照皇大神の第一皇子神・天孫瓊瓊杵尊【てんそんににぎのみこと】の御父神
・鎮座地 滋賀県東近江市小脇町二二四七番地
・御神徳 勝運授福
当社は今から約千四百年前の創祀と伝えられている。鎮座地の赤神山(太郎坊山)は岩石が露出し、見るからに神秘的な神宿る霊山であると信じられてきた。天地万物を崇め、自然の恵みに感謝をする神道の教えの中で最も典型的なのがこの神体山信仰・磐座信仰であり、今も山上には奥ツ磐座、山麓には辺ツ磐座としての祭祀場が存在している。
人々の信仰が深く広くなるにつれ、このお山で修行をする修験者が多く現れ、その姿は太郎坊天狗として今に伝えられている。一般に当社を太郎坊さんと称する様に、天狗は御祭神の守護神となっている。
聖徳太子も当大神の霊験が顕著である事を聞こし召し、国家の安泰と万人の幸福を祈願した。また伝教大師も当社に参籠し、■(赤+赤)灼としたご神徳に感銘し、五十有余の社坊を建立して守護された。さらにあまたの人々の信仰により、山肌に次々と社殿が創建され、社頭の益々充実してきたと思われる。こうして神道を基とした天台山嶽仏教と修験道が相交わる独特の信仰形態が確立され、庶民信仰の場として多くの参拝者を迎えるに至っている。
本殿前には夫婦岩と称される高さ数十メートルの二つの巨岩がある。言い伝えでは大神の神力により、巾約八十センチ長さ十二メートルにわたり、真二つに押し開かれたとされている。「この岩の間を通って参拝する者は、即座に病苦を除き諸願が成就するが、悪心ある者は岩に挟まれる。」ともいわれ、子供には悪戯をしたり嘘をついたら岩に挟まれると教え、戒めの場ともなっている。
この祭神は天照皇大神の第一皇子神であらせられる。最初に天降りの命を下された程の寵愛を受け、いつも脇に抱えて大切にされた子であるという事から、当地名が小脇と名付けられたと言われている。
ご神名から知られる様に、「吾れ勝ち負ける事が無い。なお勝つ事の速い事、日の昇るが如し。」で、殊に勝運の神として霊験あらたかであり、男子屈強の荘厳たる神を祀る現世利益・神験即現のお社である。
社名の阿賀はご神名の吾勝から付けられ、「特に喜び多く目出度き神を祀るお社」という意味である。赤神山の赤の同様に目出度き色
である事から、「喜び多く目出度き神の座す山」という意味である。
当初は太郎坊山そのものが神体山として祀られていた。神仏習合で山麓の成願寺によって祀られ、修験道色を強めるに至る。「太郎坊」という山名も修験道からきた名称と考えられる。太郎坊とは天狗の名で、京都鞍馬の次郎坊の兄にあたるという。太郎坊は「十丈許の妙石」(=夫婦岩)に住んでいたと伝えられる。(日本の神々5・白水社)
太郎坊宮の中心をなす区域
右手の巨岩が夫婦岩。大きな男岩の手前、1/4ほどの大きさのものが女岩。
(男岩、女岩それぞれ注連縄が掛けられている。)
左端、高い位置にある建物が本殿です。
夫婦岩入り口 | 左が女岩、右が男岩。(岩が割れ、幅約0.8m・ 長さ約12mの隙間が出来ております) |
境内看板 「勝運石」(=夫婦岩)の由来 昔から石に神霊がこもるという磐境信仰は我が国民 信仰中顕著なるものがあり「勝運授福」御神徳あらたか な当太郎坊八神の祭神も神聖な巨岩の磐境信仰に 源を発している。 我が国歌の中にも「サザレ石の磐となりて苔のむすまで」と 歌われているように石には何か生命があると考えられ 石は死物ではなく成長するものと信じられている。 この「勝運石」は当宮御祭神の御神徳である勝運即 家運隆昌・商売繁昌・願望成就・諸難抜除・交通安全 等の御神霊が秘められた神霊石であります。 各位 社務所 |
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本殿側展望台から見た女岩上部 |
「神体山」(学生社)の著者景山春樹氏は、太郎坊宮の奥ツ磐座に対して、野口町の阿賀神社(太郎坊宮から西南約2kmにある、太郎坊宮と同名の神社。)が辺ツ磐座の祭祀場ではないかと推理されている。
本殿
一願成就社 | 夢神社、玉石社が並ぶ |
地主神社 | 稲荷神社、愛宕神社が並ぶ |
home 作成:2008.01.19