両部鳥居【りょうぶとりい】

気比神宮の両部鳥居

気比神宮【けひ】(福井県敦賀市曙町)

両部鳥居の特徴
 (1)反り増がある
 (2)島木がある
 (3)額束がある
 (4)貫が柱から出ている
 (5)柱の前後に稚児柱を持つ


四脚鳥居、権現鳥居、枠差し鳥居、袖鳥居、児持鳥居、宮島鳥居と色々な名でよばれています。「両部」は、真言宗が唱えた両部神道からきているという説があります。

気比神宮の上の鳥居は、三大木造鳥居の一つに数えられているそうです。




厳島神社の両部鳥居


厳島神社の両部鳥居

会社のMさんより写真を拝借。感謝です。
船上や岸からでは鳥居の大きさがピンとこないのですが
画面に人が入ると、そのデカさがよくわかる。
厳島神社の両部鳥居

両部鳥居の横綱、厳島神社(広島県廿日市市宮島町)の鳥居は、高さ16mあり、木造の鳥居としては国内最大だそうです。 
2本の主柱は樹齢400年のクスの木を使用しているとのこと。
6本の柱は砂に埋まっているのではありません。
各柱はそれぞれ100本の松の木の杭の上に乗っかっているのだそうです。
また、屋根(笠木?)の空洞部には、約5トンのお経の書かれた石が重石として詰まっているのだそうです。
重石と杭との摩擦で潮に流されることなく、社の100mほど沖合に建っております。(以上NHKのナレーションによる。)


安芸の宮島 厳島神社の大鳥居について
以下『楠(くすのき)』(矢野憲一、矢野高陽 著)(法政大学出版局)による
現在の鳥居(2010年9月現在)は明治8年に樹齢7、800年のクスノキで作られた。維新で「公費は相ならず」だったが、浅野家より主柱のクスノキ二本の寄進があり、浄財を募り完成した。
島から向かって右が宮崎県日向産、左が香川県丸亀産のクスノキ。
創建年代は不明だが、平清盛により仁安三年(1168年)に造営されたとき、朝廷に奉った解文に鳥居四基、そのうち有浦大鳥居一基というのが見えるから、当時から同じような規模で建てられていたと思われる。


主柱の高さ(桁行)10.938m
袖柱(梁間)9.393m
棟高(地盤〜棟木上)16.362m
上棟長さ24.240m
社頭平舞台の火焼前【ひたさき】から160m沖合に建つ

船にも使われた水に強いクスノキだが、脚部のクス材は海虫の被害などで傷んでくる。昭和二十五年の大修理では、柱基部の根継ぎと檜皮葺の屋根の取り換えが行われた。(根継ぎのクス材の調達だけでも大変な作業だった事が、詳しく本書に記されている。)

右写真(『楠(くすのき)』による):歌川広重『六十余州名所図会』の内「安芸 厳島祭礼之図」
図を見ると、鳥居は素木のままで彩色されていない。明治八年に建造された現在の鳥居も、明治四十二年に朱を塗られるまでクスの素木のままだった。
明治初年の廃仏毀釈のおりには、神社を朱塗りにするのは仏教の影響であると、厳島神社の社殿も丹をそぎ落とされた。明治三十四年の社殿大修理において、再び丹塗りに復旧された。

前の頁に戻る     home  更新:2016.03.22d 作成:2005.05.22