鳥居の素材 stone

『鳥居』(谷田博幸著 河出書房新社)には、今現在神社に立っている鳥居の「おそらくその九五%以上が石鳥居で占められていると思われる。」と書かれている。その理由として、ヒノキ材の枯渇、耐久性を上げている。

四天王寺の石製鳥居

四天王寺西門前の石製鳥居(重要文化財)

安芸の宮島厳島神社の木製の両部鳥居、吉野金峯神社の銅製・一の鳥居、そしてこの石製鳥居を合わせて日本三鳥居と呼ばれている。(素材の異なる代表的な鳥居を三つ並べた格好だ。)
この鳥居は当初木製で、石造りに改められたのは鎌倉時代末期の永仁二年(1294)といわれ、柱の部分が当時のまま現存しているという。
鳥居の額に沢山の文字が書かれている。勿論私には読めない。「大阪を歩く」(林 豊著 東方出版)によると「釈迦如来 転法輪処 当極楽土 東門中心」と書かれているそうだ。写真を拡大して見てみると、なるほどそんな感じに読める。「この地は釈迦如来が現れて説教された場所で、極楽浄土の東門に当たる」という意味だそうだ。額は箕【みの】の形をしている。「全ての願いをすくい取る」という阿弥陀の本願を現しているという。
彼岸の中日(春分・秋分)には西大門(極楽門)(写真中央)から西方向を見ると鳥居越しに日の沈むのが見え、真西に沈む夕日を拝む日想観【じっそうかん】法要が執り行われる。

作成:2017.01.06