當麻山口神社【かつらぎみくまり】(奈良県葛城市當麻町)

一の鳥居か?

灯籠の台の部分に当社の氏子十六ヶ村の地名が刻まれている。


掲示

當麻山口神社
二上山の山裾に鎮座し、延喜式内明神大社としての風格を思わせます。近世文書のうえでは、「万歳郷平田庄新宮大明神」といわれる十六ヶ村の郷社で、大和山口神社十四社のうち大山祇命をお祀りしてあります。いつほどにか彦火瓊瓊杵命、木花咲耶姫命を合祀し、「西国名所図会」では熊野権現社とされています。この正面の参道を登ってゆくと、本社の広庭近く右側に、まず末社春日若宮神社があり、広庭から拝殿までの間に「百度石」と狛犬や大きな石灯籠があります。拝殿は桁行九.九メートル 梁行三.六メートルの瓦葺総板床で、明治二十一年八月に改築されました。本殿は打越流造、二重破風、但し本屋根は千鳥破風で向拝が唐破風になっています。桁行四.八メートル梁行二.八メートルの三間社で、屋根は檜皮葺で、中央に彦火瓊瓊杵命、右に大山祇命、左に木花咲耶姫命がお祀りしてあります。
西国名所図会に描かれた当社



二の鳥居か?

社名標には「式内大社 當麻山口神社」の文字




當麻山口神社の参道

参道
中央奥に拝殿が見える

正面奥に拝殿



手水舎

立派な水盤だ
龍口等がなければ「うおっ! 岩座だ!!」と思ってしまいそう




掲示
式内大社
當麻山口神社
(鎮座地)奈良県北葛城郡當麻町當麻一〇八一番地

一、御祭神
本殿
天津彦々火瓊瓊杵命(あまつひこひこほほににぎのみこと)
木花開耶比売命(このはなさくやひめのみこと)
大山祇命(おおやまづみのみこと)
摂社
當麻都比古神社(たいまつひこじんじゃ)本殿の左右に鎮座
麻呂子皇子(まろこのおうじ)
當麻津姫(たいまつひめ)
末社
春日若宮神社(かすがわかみやじんじゃ)境内に鎮座
天忍雲根命(あめのおしくもねのみこと)
一、御由緒
往古より近郷十六ヵ村(當麻、大橋、西中、勝根、今在家、染野、市場、岡崎、大中、有井、神楽、築山、大谷、池田、野口、鎌田)の郷社鎮守産土大神として広く崇敬、信仰されてきた旧指定郷社です。延喜式神名帳(九〇一年)に「人皇五十五代文徳天皇仁寿三年(八五三年)、夏四月、冬十一月これを祭る」と当時すでに式内大社の官社であった事が記されています。また、三代実録には清和天皇の貞観元年正月二十七日(八五九年)に当神社に正五位を贈られ、勅使が参向して幣帛を奉納とあり、神社縁起の上からもまことに古い歴史をもつ由緒深いお社です。
摂社當麻都比古神社の祭神麻呂子皇子は用明天皇の皇子で聖徳太子の異母弟にあたり、當麻氏の先祖とされています。當麻寺を創建したこの地の豪族當麻氏の氏神として男女二神をお祀りしております。延喜式神名帳に式内小社と記載されています。
一、御神徳
五穀豊穣・国家安泰・家内安全・開運・長寿・縁結び・夫婦和合・子育て・厄除け
一、年中行事
 祈年祭 御田植祭り(春の例祭)四月二十三日
 宵宮祭り(秋の例祭)九月二十二日
 新嘗祭(新穀感謝祭)十二月二十三日
 歳旦祭一月元旦
 月次祭 毎月一日


當麻山口神社の拝殿

拝殿




當麻山口神社の本殿

本殿




末社 春日若宮神社

末社 春日若宮神社




石柱に刻まれた文字

偶然目に入った「松竹梅扉絵 金曽大畔」の文字
日本画家で、私が存じ上げている方の義父にあたる


延喜式神名帳大和國に記載の山口神社十四社は以下の通りです。
夜支布山口神社【やぎう】、伊古麻山口神社【いこま】、巨勢山口神社【こせ】、鴨山口神社【かも】、当麻山口神社【たいま】、大坂山口神社【おさか】、吉野山口神社【よしの】、長谷山口神社【はせ】、忍坂山口神社【おしさか】、飛鳥山口神社【あすか】、畝火山口神社【うねび】、石村山口神社【いわれ】、耳成山口神社【みみなし】、都祁山口神社【つげ】


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写真:2005.03、2015.05撮影
home   作成:2017.03.24